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「即効で血圧を下げる方法 水」は効果がない
血圧がどうすれば下がるのかを専門的にエビデンスからまとめたガイドラインが存在します。 日本の医師会で集まって作成された、高血圧治療ガイドライン2019というもので4年に一度改定されてます。 この中で「水分摂取」で血圧が下がるという内容は一切存在しておりません。
健康診断などで、血圧が基準値以上になるのを危惧して一時的に下げる方法がないか探している方は少なくはないと思いますが、「水」は全く効果がないです。 水を接種すると体内のナトリウム(塩分)を排出して血圧が下がるようなイメージですが、水を飲むこと自体が逆に上げてしまいます。 水を多く飲むと腎臓から尿として排出させようとする働きが発生して、心臓から腎臓までの血圧が上がるのです。 測定の前に「気分を落ち着かす」という自律神経の意味で少量の水を飲むのは良い効果があるかもしれませんが、多く水を飲んでも逆効果になります。
下の血圧が高いのは水分を多く接種しているから
高血圧治療ガイドライン2019に血圧を下げるための生活習慣として、塩分接種量を8~10g/1日に抑えましょうというのが推奨とされています。 塩分を控えると水分を過剰に摂取しなくなり、腎臓から尿として排出させるのに心臓に負担が掛かるのを抑えることができます。 つまり、水分を多く飲んでいるから下の血圧が高いのではなく、塩分を多く接種しているから基準値以上になってしまうのです。
日常生活で水を飲む量を気にして調整する必要はなく、それよりも食事に含まれる塩分の量を計算して10g/日以下にすることが正しい方法になります。 ラーメンや塩分の多い食事をすると、自然と喉が渇き水を飲みたくなってしまうので、量で調節するのではなく、塩分で体調管理をしましょう。
参照:オムロンQ&A
毎日水を多く飲むことで血圧が下がることはなく逆効果になる
Youtubeやブログで、水を飲むことで血圧を下げることができるような似非科学的なものが多いですが間違いになります。 高血圧の人が水を飲んだ方が良いというのは、降圧剤を服用している場合で脱水症状にならない為のアドバイスになります。 降圧剤には、利尿作用があるものがあり水分を排出しやすいので脱水症状に陥る可能性があり危険です。 また、「痛風」や「高尿酸血症」の病歴の人は高い確率で高血圧を合併しております。 治療ガイドラインでは、上記の病歴の方は1日に2リットルの尿を排出することが推奨されております。 1日2リットル排出ということは、1日2リットル以上の水を飲むのが良いことになります。本文では下記のように書かれています。
「pHが低い尿は尿酸の尿への溶解度を上げるために、アルカリ性食品の摂取を推奨し、さらに尿酸の尿中飽和度を減少させるため十分な水分摂取により尿量を2,000 mL/日以上確保することが推奨される」
ネットの検索で「高血圧 水 2リットル」とありますが、この理由は痛風や高尿酸血症の人が体内の尿中飽和度を減少させるための指標なので、一般の人が血圧を下げる方法とは全く違います。 水分不足でナトリウム濃度が高くなり血圧が高くなるような似非科学的な記事が多いですが、脱水になると逆に低下してしまいます。
血液がサラサラになっても血圧は下がらない
水を飲むことで血液がサラサラになり、血圧が下がるようなイメージがありますが似非科学になります。 「血液サラサラ」のWikipediaにも記載されてますが、この言葉は詐欺で厚生労働省・消費者庁では、商品にこの言葉を使用することを禁止しております。 血液ドロドロ、サラサラというのは医学的には存在しなくテレビが造り上げた視聴者を焚きつける造語です。 医師が処方する薬で血液サラサラは、血圧を下げるためのものではなく、脳血管障害や心筋梗塞を防ぐためのものです。
血栓ができてしまう恐れがあるので、血を固まらせる血小板の働きを抑える訳です。 水を飲んだ方がよいのは脱水状態で血液ドロドロになって、脳血管障害を引き起こす可能性がある状態の人に限ります。 過度に水を飲んでも血液サラサラにはなりません。
参照:循環器内科専門医のブログ