血圧を下げる方法20mmHg

最低血圧が高いのは問題なの?

最低血圧(下の血圧)は60歳から下がります

男女年齢別の拡張期血圧グラフ

末端の血管の流れが悪いとか、心臓に近い部分が弾力に問題があると言われていますが危険を煽るだけの情報で誤解です。 最低血圧は60歳を超えると下がっていきますので、血管が不良とすると下がっていくことはあり得ません。 脈圧という「収縮期」-「拡張期」の差の値が大きいと危険要素という情報もありますが、これもよくある誤解です。 ガイドライン発表によると危険な要素の順位は下記になります。

危険を判断する優先順位

1位 収縮期(最高)
2位 拡張期(最低)
3位 脈圧(最高-最低)

最低血圧の正常値は90mmHg未満

高血圧ガイドラインの基準グラフ

2014年のガイドラインの発表によりますと、正常値と言える基準は最低血圧が90mmHgまでになります。 収縮期や脈圧がどんな数値であっても、この値を超えていることが日本では「異常」の基準になっています。 即日に専門の薬を飲まなくてはならないとか、最低血圧を下げる努力をしないとならないと焦る前に、もう少し詳細を解説していきます。

最低血圧が高いと頭痛の症状が起きやすい

頭痛

普通の高血圧では頭がボーっとするとか、吐き気とか、めまいとかが主に多いと思います。 病院でも言われるのが、最低血圧の数値が高いと血管が広がり頭痛の症状が初めに伴いやすいというものです。 医学的に何故という説明が難しいのですが、高いのを実感するとしたら他にはなく自覚症状は全くなしになります。

最低血圧が高い原因や対策について

脳出血と血圧の相関

◆ 収縮期が高い(140mmHg)場合

最低血圧が高い、且つ収縮期も平均より高いというのは一般的な顕著な症状になります。 このケースでは一度病院で診察を受けて、専用の手帳というものに毎日数値を付けて数週間後に改めて自宅で書き込んだ数値を医師と相談するというのが対策です。 病院で重視するのは「収縮期 > 拡張期」なので、最低血圧が若干高くても大きな問題とはなりません。 平均的でいうと収縮期が160以上で薬を飲みますかという初めての提案が出ることが多いようです。


◆ 収縮期が正常の場合

例えると「132/100mmHg」とかいう数値だと幅が少なく不自然で、最低血圧が高いのでその原因を追求して知りたくなります。 一番多い理由は「自宅の計測器の故障or計測方法の問題」というのが多いようです。 何度も計測したり病院や家庭で計測しても結果が変わらず同じようなら、拡張期高血圧症という診断名が正式になりますが、熟練の慣れた医師はあまり深刻な問題として捉えないので数週間は様子を見ましょうで終わることが多いです。 最新のガイドラインでも、収縮期が重要ですと断言してますので、最低血圧だけが高いという症状は大丈夫だろうと自己判断で放置されることが多いです。


グラフの数値を詳しく見ると脳出血の割合が最低血圧が90を超えると途端に跳ね上がっているのが分かります。 ガイドラインが90として理由がこのデータに何かしら関係があるのかもしれません。 脳卒中や心筋梗塞になる将来のリスクの臨床データで、「収縮期」と「拡張期」をそれぞれ分けて判断する実験資料が少ないです。 また厚生労働省のガイドラインでも、上が高い場合・最低血圧が高い場合と分離して詳しく個別に説明することはしていません。 恐らく「収縮期」と「拡張期」は表裏一体で意味は全く同じということなのでしょう。 最低血圧だけが高い症状で今後起き得るリスクとしては、上も連動して一緒に高くなるということです。


末梢血管が動脈硬化を起こしているのが原因というのは嘘

心電図

最低血圧が高い原因が末梢血管で動脈硬化が起こっているからという記事をよく目にしますが、全く科学的な因果関係はありません。 上図はABI検査といって四肢の各所で動脈硬化が起きてないか、「心臓」「手首」「足首」で計測して各所でずれがないかをリアルタイムに診るものです。 ここに大きな差が生じると動脈硬化が既にどこかで発生していると分かるものです。 最低血圧が高いというのは全く関係がないので慌てる必要もありません。

最低血圧が高い方が健康に良いというデータもある

2年間の心血管発症リスク

ヨーロッパの研究者のデータで7,000人の統計で、血管障害が発生するリスクを表したグラフになります。 収縮期が同じなら、最高血圧が高い方が血管障害を発症しにくいというデータ内容になります。 これは、脈圧という計算数字(収縮期-拡張期)が少ない方が脳卒中や心筋梗塞が割合として起きにくいからです。 例えば「180/80」の人よりも「180/100」の方が予後は良いという検証結果になっています。

最低血圧が高いだけでは一概に病気で危険であるかは判断しにくいのでお医者さんも無難な返答でしばらく様子をみましょうになるのです。 重要な数値は「収縮期」であって、拡張期や脈圧は参考程度で良いのではないでしょうか。

脈圧が高い(60以上)は危険と一般的には言われています

どちらが危険か

テレビ番組でビートたけしさんの「みんなの家庭の医学」で放映された二択の問題です。 A「150/100」、B「150/60」はどちらが危険かというとクイズの答えはBになります。 上下の差が60以上になると死亡率が何故か一気にあがると言われています。 つまりは、最低血圧が高いのを原因を排除して治療することが逆効果になる恐れがあるということです。

平均=最高×1/3+最低×2/3

平均血圧の計算方法

サイトを詳しく調べていると医学博士や権威ある方が平均血圧という指標で健康状態を見ているという話がありました。 収縮期や拡張期(最低血圧)や脈圧は全てバラバラの独立した要素ではなく相互に影響しあっていて、一つの計算式として「平均血圧=収縮期×1/3+拡張期×2/3」とする考え方があるようです。 何故「3で割るか?」は色々と調査してみたのですが筆者では分かりませんでした。 この平均血圧が95mmHg以下が合格ラインということらしいです。 この内容が書かれているサイトは調べた限りは下記になります。

  • CASIO(計算機のメーカー):2014年
  • 全国健康保険協会:2014年
  • 松原英多 医学博士:2014年
  • 高沢謙二教授・東京医大八王子医療センター循環器内科:2010年、2007年

高血圧ガイドラインや公的な医療機関では、平均血圧という項目は載ってなく所謂「造語」では」ないかと思っております。 最低血圧や最高血圧から計算された指標で判断していくというのは良いことなのですが、脳血管障害や心臓疾患になった統計データとの関連付けが存在しなく95mmHgが妥当なかどうかが信頼できるエビデンスがありません。 血圧を下げるのにこれくらいが良いという数字は、何万人の臨床データに紐づけて出している数字なので信頼が置けるのですが、平均血圧については言及している研究資料が少なすぎるので気にしない方が良いのでしょう。

最低血圧が高い理由で病院に行く基準は頭痛の症状

問診

最低血圧が高いことで頭痛の症状が数日も続くようでしたら病院に行って降圧剤を処方してもらいましょう。 頭痛がなくても、収縮期が160以上なら一度病院で見てもらった方が安全のために良いです。 それ以外で特に自覚症状が無いようでしたら、運動やサプリメントや減塩で最低血圧を下げる方法がいくつもありますので下記を参照してください。 高齢者以外は必要以上に心配することもないかと思います。


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